・2020年1月21日例会


 

1月21日(火)

 和爾氏の里から、かくれ里・山村の円照寺へ

開基・文智女王の遺品、出家の悲哀を物語る

 JR櫟本駅―在原寺―馬出の町並みー和爾下神社―

 柿本寺跡―櫟本高塚公園―和爾坐赤坂比古神社―

 弘仁寺―ローソンー円照寺―帯解駅

  

2020年の2回目の例会です。今回のコースは和爾氏の里から、山の辺の道を歩き山村の円照寺をめぐる、歴史が息づく里山を歩きます。

 

本日の天気は、曇り時々晴れで雨の心配は無いようです。JR櫟本駅10時集合。交通の便があまりよくないのに109名の多数の参加者があり、スタッフ一同安堵です。

 

本日は出発式に先立ち前年度の成績優秀者の表彰式を行いました。賞はは3つあり25回例会参加のメンバーはベストウオーカー賞、24回例会参加者はベターウオーカー賞、23回から21回例会参加者はグッドウオーカー賞です。今回はベストウオーカー賞は5名、ベターウオーカー賞は3名、グッドウオーカー賞は15名該当者があり、参加されている該当者に中浦会長から賞状と記念品を授与し健闘を称えました。今年も多数の表彰該当者が出ることを期待しています。(写真は表彰式の様子)

 

   出発式では野村リーダーからコース説明があり、今回は多数のゆかりのスポットで解説があるということです。まずは在原寺を目指して出発です。(写真は出発式の様子)

 

   旧上街道を南へ、名阪国道の高架下をくぐると在原神社に到着です。ここで尾花スタッフより解説がありました。ここは8世紀前半に阿保親王によりこの地に建てられた在原寺が在ったところで、明治初期に廃仏毀釈の影響か、本堂は郡山の西融寺に移され、ここは阿保親王と在原業平を祀る在原神社になって今に至るとのことです。(写真は在原神社にて)

 

   次はもと来た道をもどり、右に折れると旧高瀬街道に入ります。ここに「馬出(うまだし)」と呼ばれた馬つなぎが残っている民家があります。ここで尾花スタッフから、当時のこの辺りの歴史について解説がありました。この辺りは上街道と大和高原を結ぶ高瀬街道の交差する交通の要地として栄えたそうです。それにしてもこの馬出は歴史を感じますね。(写真は馬出の町並み)

 

   国道169号線を渡り、和爾下神社に向かいます。神社の参道を進み左に入ると柿本人麿の歌塚があります。ここで尾花スタッフより柿本寺や柿本人麿について解説がありました。

 

柿本寺は柿本氏の氏寺でこの北側に遺跡が広がっています。室町時代までに、この地から西400メートルの離れた櫟本小学校の西側に移転し、明治初年に廃寺になったようです。(写真は歌垣にて)

 

    階段をのぼり和爾下神社へ。東大寺山丘陵の西にある古墳の上に祀られた延喜式にみえる古い神社で、治道社や牛頭天皇社、さらに柿本上宮とも呼ばれていましたが、明治初年に和爾下神社と定められたようです。なかなか趣のある神社です。

(写真は和爾下神社での解説の様子)

 

   参道を下ると、柿本寺跡といわれるところに石棺の蓋に使われた大きな石材が置かれています。これは先ほどの古墳の石棺のようです。それにしても巨大ですね。

(写真は柿本寺跡にて)

 

   ここから里山を歩き、高塚公園へ。ここでトイレ休憩。また尾花スタッフからこの地で古代に栄えた和爾氏についての解説がありました。和爾氏の出自は諸説がありよくわかっていませんが、大和朝廷では勢力を広げ、5世紀ごろには奈良盆地の各地に分住した。6世紀には春日氏、小野氏、粟田氏、柿本氏等々別姓を名乗り後世活躍をしたとのこと。静かなこの里山に5~6世紀には大変な勢力を持っていた和爾氏がいたとは、歴史のロマンを感じますね。(写真は高塚公園にて解説中の様子)

 

   ここからは和爾町の村中を歩き、和爾坐赤坂比古神社の前を通り、前方に虚空蔵山を望みながら快適な里山歩きを満喫です。(写真は和爾坐赤坂比古神社まえにて)

 

   虚空蔵町の公衆トイレのある公園に12時到着です。狭いところなので道路わきに分かれて座りしばし昼食タイムです。

 

  

  食後は、尾花スタッフによる恒例の蘊蓄話です。今回は鑑真の中国から日本への苦難の渡航についての話です、5回の渡航失敗にめげず6回目でようやく日本に渡航に成功した物語を「鑑真和上東征絵伝」の絵図も示しながらの熱弁で、皆さん熱心に聞かれてました。(写真は午後の蘊蓄話の様子)

   ここからは登りになり、山道を行くと弘仁寺の山門に到着です。ここで弘仁寺について尾花スタッフから少し解説がありました。ここからは山の辺の道を円照寺までしばし里山ウオーキングです。(写真は弘仁寺山門にて)

 

   虚空蔵山の山裾を歩き、帯解の田中町に入り、村落を抜けるとのどかな田園地帯、さらにそこから森の中の細い道をしばらく行くと、円照寺の参道へとでます。

  

   円照寺でトイレ休憩ののち山門前で、野村リーダーから円照寺にまつわる解説がありました。この円照寺を開山した文智女王の詳しい物語を皆さん熱心に来ておられました。この後このお寺は門跡寺院として現在に至るとのことです。なかなかディープな興味深い話でしたね。(写真は円照寺山門にて解説中の様子)

  

これで今回のめぐるスポットはすべて終了。ここからはゴールの帯解駅までしばしのウオークが続きます。

  

本日はお疲れさまでした。本日の踏破距離は11kmでした。

  

次回は2月4日。奈良駅9時30分集合。法華寺、西大寺、喜光寺、躰性院、唐招提寺、大安寺など奈良近郊のお寺をめぐります。ご参加お待ちしています。