・2019年12月17日例会


 

12月17日(火)

 

廃線探索④-幻の大仏鉄道の遺構をめぐる

 

奈良駅~大仏鉄道記念公~黒髪山トンネル跡~鹿川隧道~松谷川隧道~梅美台公園(昼食)~赤橋~大仏鉄道公園~梶ケ谷隧道~鹿背山橋台~観音寺橋台~加茂駅

 

 

 

今年最後のウォーキング。会長から1年間多くの方に参加いただいたお礼と、来年ますます“歩いて楽しい”コースに、充実した解説陣による“一味違う桜井のウォーキング”を目指していくとの挨拶がありました。

 

出発前は青空がのぞいていたものの、スタートする頃には、いつ雨が降るか気をもみながら出発しました。(写真は出発式の様子)

 

 

大仏鉄道記念公園に到着。大仏鉄道は明治31年に開通し、ここに大仏駅が設置されました。下車した客は一条通りを東大寺天害門へと向かい、参拝客で大いに賑わいました。平成4年に奈良市と地元の自治会の協力で、記念公園が造られたとの説明が、リーダーの中川さんからありました。(写真は大仏鉄道記念公園にて)     

 

 

黒髪山トンネルは昭和41年頃まで残っていた大仏鉄道唯一のトンネルです。廃線後は生活道路として使用されていましたが、道路の拡幅により取り壊され、現在のような姿になりました。ここでは、スタッフの永原さんが説明していました。(写真は黒髪山トンネル跡を通過)

 

 

鹿川隧道は、農業用水路の目的で造られた石積みの隧道で、現在も利用されています。奈良市街に唯一しっかりと残る遺構です。ここではスタッフの野村さんが説明していました。(写真は鹿川隧道)

 

 

松谷川隧道はかつての鉄道跡を彷彿させる道路の下に、ひっそりと口を開けるレンガ造りのトンネルです。上を農道、下を農業用水として利用されていました。(下の写真は松谷川隧道)

 

 

梅美台公園で昼食。恒例のうんちく話はリーダーの中川さんから、大仏鉄道をはじめ、関西の鉄道の概要の話がありました。大仏鉄道は明治31年に開通。わずか9年で廃線になったことから、“幻の大仏鉄道”と呼ばれるようになりました。大仏鉄道は黒髪山の辺りの勾配がきついため、列車が途中で止まってしまうことがあり、客が降りて列車を押して上がるようなことがあったとのことです。(写真は中川リーダーのうんちく話の様子)

 

昼前から雨が降り出しました。赤橋はその名の通り赤レンガが美しい橋。雨上がりの時が一番美しく見えるとのことです。赤橋のすぐそばに梶ケ谷隧道があります。アーチ部分はレンガ造り、下部は石積みの隧道です。トンネルを抜けると里山の原風景が目に飛び込んできます。(下の写真左は赤橋、右は梶ケ谷隧道)

 

鹿背山橋台は黒光りする堅固な石積みに魅了される人も多く、全国の廃線跡を紹介する雑誌の表紙にもなったほど、遺構の中でも人気のスポットとのことです。ここではスタッフの尾花さんが説明をしていました。(写真は鹿背山橋台)

 

 

いよいよゴールが近くなってきました。観音寺鏡台は手前の廃線跡の橋台と現在の大和路線とが並んでおり、大和路線と廃線とを一緒に写せる撮影ポイントです。カメラを構えていましたが残念。橋台をくぐってすぐに列車がやってきました。(この写真は以前、列車が通った時に撮った写真)

 

 

里山と田園風景を楽しみながら、ゴールの加茂駅に向かいました。(写真は美しい田園風景を歩いています)

 

今日は65人の参加がありました。ありがとうございました。

 

次回の新春ウォークは1月7日(火)。道幅約70mの復元された朱雀大路の初歩きです。また、奈良時代に活躍した皇族たちの邸宅跡を検証します。是非ご参加ください。