・2019年3月19日例会

319日(火)

佐伯今毛人 建立の佐伯院探索

弘法大師空海が歩いた奈良大和路①

JR奈良駅―猿沢池―春日大社国宝殿―東山緑地―

不空院―十輪院―元興寺―音声館―

アサヒプラザアーバネード奈良Ⅱ佐伯院―

飛鳥神社―町屋ゲストハウスならまち―京終駅

 

本日は弘法大師空海が歩いた奈良大和路を巡る企画の第1回目として、空海の若き頃滞在していた佐伯院や空海ゆかりの奈良寺院などを巡ります。

集合は奈良駅10時集合。天気はあいにくの雨模様。参加の皆さんにたっぷり解説をしようと万全の準備をしてきただけに少し残念な気分ですが、それでも66名の参加がありスタッフ一同感謝です。(写真はJR奈良駅での出発式の様子)

 

 

出発式でリーダーを務める中浦会長から熱のこもったコース企画の説明後、空海が設計の助言をしたといわれる南円堂に向け出発です。三条通りを進む途中で雨が激しくなり、早くも傘をさすことになりました。

南円堂では尾花スタッフより、南円堂の由来について解説がありました。この南円堂は西国三十三か所の九番札所になっており、この興福寺でも観光客の多いスポット。平安初期に藤原冬嗣により建立されたお堂で、現在は江戸時代中期に再建された4代目に当たります。空海はこの南円堂の建築時の儀式や設計にもかかわっておりゆかりが深いお寺です。またその姿は北側になる北円堂に似た雰囲気があります。

(写真は南円堂にて解説中)

五重塔の近くでトイレ休憩。ここから三条通りを春日大社に行く途中でふつうは見過ごすところの「伝説の三作石子詰之旧跡」に立ち寄ります。道横の門を開け興福寺菩提院に入るとこの院の前庭に三作を祀った塚が設けられています。ここで尾形スタッフから春日神鹿を誤って殺傷した少年三作を石子詰めの刑に処した伝承されるこの塚について解説がありました。

(写真は菩提院にて三作石子詰めの解説の様子)

ここからは春日大社の参道を上がり、春日大社国宝殿前でトイレ休憩。周りの参拝客は大半が外国人ですね。

 

春日大社の上の祢宜道を抜け滝坂の道に入り、すぐに右折れして本日の昼食場所の東山緑地へ。今も雨模様で、緑地の木陰の下で雨を避け昼食です。

(写真は東山緑地にて蘊蓄話の様子)

 

 

昼食後は尾花スタッフから本日の蘊蓄話。佐伯院の話や、これから回る不空院、十輪院についての解説がありました。まだ雨が降っており、皆さん雨を避け木陰で聞いていただきました。

次は新薬師寺へ。ここでは新薬師寺の東側にある不空院の前を通ります。この不空院は空海が興福寺南円堂建立の試みとして雛形の八角円堂の建立を提案して願文を書いたと伝わります。

(写真は不空院まえにて)

高畑あたりの古い民家には奈良格子という格子が設けられた家を見ることができます。

 

昔は町の中で鹿の角切も行われており、その時この格子は鹿と家屋を守る役目をはたしていたそうです。

(写真は奈良格子の説明の様子)

ならまちに入り、十輪院の前を通り元興寺へ。ここでは門前で行基葺きの本堂を確認し音声館に向かいます。

(写真は元興寺にて)

音声館では、トイレ休憩の後、会長から空海が若いころ滞在した佐伯院の場所や、佐伯院の広さ、また購入に要した費用など熱い解説がありました。

それによりますと総面積は18620坪という広大な敷地。またこの土地は東大寺から購入した4つの坪(大路と小道に囲まれた区画の単位)と大安寺から購入した1つの坪の合計5つの坪から構成され、五条大路と六坊大路の交差点付近にありました。ちなみに購入費用を現在の価値に換算すると約1050万円だそうで坪単価は564円とか。

 

当時造東大寺長官の任にあった佐伯今毛人の権勢がわかるようです。(写真は音声館での中浦会長の解説の様子)

音声館をでて当時の佐伯院の敷地の周りをウオークします。いまは民家が密集していますが、この一角に建つマンションには佐伯院という名前が付けられており、名残りが感じられますね。

(写真は五条大路をウオーク)

往時の小道や五条大路を歩き、六坊大路と五条大路の交差点にある朝飛鳥神社に立ち寄ります。京終エリアで小ぶりながらよく整備されて神社と、古い町並みはようマッチしているようです。(写真は飛鳥神社にて)

この近辺の町屋ゲストハウスならまちまで移動して、ここのオーナーの安西さんにこの佐伯院と空海のかかわりについて詳しく解説いただきました。オーナーの奈良時代の衣装よく似あってましたね。ありがとうございました。(写真は安西オーナーの説明の様子)

 

ここからはゴールの京終駅は0.5kmぐらいです。

大変お疲れ様でした。本日の踏破距離は10kmでした。

 

 

次回の例会は42日(火)10JR六地蔵駅集合。「京都府下最古の建造物・醍醐寺の五重塔」で京都山科界隈を歩きます。ご参加お待ちしています。