・2018年11月4日例会

11月4日(日)

関西本線旧線(桜宮線)と幻の大仏鉄道

安福寺前架道橋と梶が谷隧道を訪ねる

木津駅―新木津駅跡―安福寺前架道橋―関西本線旧線跡―

梶が谷隧道―赤橋―大仏鉄道公園―鹿背山橋台―

観音寺橋台―ランプ小屋―加茂駅

 

本日の天気予報は晴れのはずが、9時頃から雨がパラパラありスタッフ一同皆さんの参加が鈍くならないか心配なところです。本日のコースは、前半は関西本線の旧線・桜ノ宮線の廃線跡を歩き、後半は大仏鉄道の遺構を巡るウオークです。明治30年代の私鉄の鉄道建設にかける意欲を感じたいところです。

 

 

10時前になると、幸いなことに青空も垣間見え天気も回復してきた模様で一安心。10時木津駅西口集合。会長挨拶、リーダーのコース説明と明治30年代のこのあたりの鉄道建設の変遷を説明。桜ノ宮線や大仏鉄道の位置づけを理解いただいたところで出発です。

まずは西へ。関西本線の踏切を渡った所で和泉式部の墓を見学。村のお寺の裏手に平安時代の女流歌人・和泉式部の墓があり、ここで尾花スタッフより解説がありました。

つぎに片町線に沿って狭い道を数百メートル行くと、かっては新木津駅があった場所につきます。今は駐車場になっており面影はなし。現在はこのあたりからカーブして木津駅へ線路は続きます。

 

 

コースはここから桜ノ宮線といわれた旧線跡を歩きます。今は車道になっており、しばらく行くとJR奈良線をくぐる架道橋が見えてきます。これが安福寺前架道橋といわれるもので、桜ノ宮線が奈良線とアンダークロスしていたところです。それにしても約120年まえの建築物が立派に現役とは!当時の建築技術はたいしたものですね。

架道橋をくぐった左手が安福寺です。ここには南都焼き討ちの平重衡の墓があります。このいわれについて尾花スタッフから詳しい解説があった。続いて東に百メートルほど行くと立派な御霊神社があり、ここの神社のいわれについても尾花スタッフから解説がありました。

このあたりが旧線と木津から加茂に行く線が交わった所で、ここからは現在の大和路線に沿ってウオークを続けます。

 

 

途中旧線の跡地跡などを見て右折れし、しばらく行くと関西本線旧線橋台の下を通ります。この橋台は今も大和路線が上を走り現役そのもの。120年の歴史のあるこの煉瓦造りのこの橋台が現役で使われていることに皆さん感心しきりでしたね。

ここからは左手を走る大和路線に沿って、城山台団地の周囲の大きな道を歩きます。

途中右手に平城京遷都時に瓦を供給した鹿背山瓦窯跡があります。ここでこの瓦窯跡について尾花スタッフから解説がりました。このあたり平城山丘陵は平城京遷都時の瓦の一大供給地でこの鹿背山瓦窯跡もその1つで、いろんな出土品があったとのこと。

大きな道を右に折れ、ゴルフ場の横を下ると、大仏鉄道の遺構の1つである梶が谷隧道です。

下部は御影石、上部は煉瓦造りのなかなかしゃれた隧道です。ここをくぐり左に行くと、今度は同じく遺構の1つ赤橋があります。ここも煉瓦造りで隅に御影石の隅石を配し、現役の橋として今も使われています。立派な遺構に関心しつつ行くと、本日の昼食場所の大仏鉄道公園に到着です。ここで昼食と一休み。

12時20分集合。恒例の蘊蓄話は、尾花スタッフから廃藩置県後の奈良県の成り立ちの話がありました。なかなか聞けない話で皆さん熱心に聞き入っておられたようです。

午後のスタート。大仏鉄道の鉄道跡の道を歩きながらの遺構めぐりになります。

 

まずは昭和31年に役割を終えた旧線・桜ノ宮線の鹿背山トンネルです。現在は残念ながら近づけないので左手山手を示しての位置確認でした。

 

 

里山らしい道に入るとすぐに鹿背山橋台があります。ここは精緻な石造りの趣のある立派な橋台です。また石の表面の色艶も素晴らしい。人気があるのがわかります。この奥に鹿背山トンネルの加茂側の入り口があります。

ここからずっと里山風情の道が続きます。しばらく行くと観音寺小橋台。後ろは大和路線が走ります。

少し下れば観音寺橋台。手前が大仏鉄道の遺構。後ろが大和路線の橋台です。この橋台は急な高低差を緩和するために設けられたとか。石造りの堅牢な橋台が2つ並んで、1つが現役1つが遺構。何か不思議な感じがしますね。

この橋台をくぐって田園地帯に出ます。ここからは農道をひたすら北へウオーク。周りを小ぶりな山に囲まれコンパクトな盆地は風情があり何かほっとする感じがしますね。

 

 

加茂の町に入り、機関車のC5756の静態保存を見学。関西本線を急行として力強くけん引した機関車でスピードが出てスタイルがよかったとの評判の機関車だったようです。 

次はゴール手前の煉瓦造りのランプ小屋を見学です。加茂駅ができたときに造られた列車の灯火に油を供給する備蓄小屋とのこと。きれいに保存されているが説明板のないのが悲しいところ。

 

本日はお疲れさまでした。参加人員は58名でした。 

次回は悠久の道、山背古道フルコースを歩きます。健脚の方は22kmを、脚力に不安の方は途中ゴールの13kmコースでご参加ください。