2016年3月8日例会

 

2016年3月8日(火)定例報告

  震災メモリアルパークと神戸税関見学

  異国情緒あふれる異人館街を歩く

  JR神戸駅―諏訪山公園―移住ミュージアム―萌黄の館―

  風見鶏の館―生田川公園―神戸税関―震災メモリアルパーク―

 JR神戸駅

 

  春の天候は変わりやすい。もしかしたら当日は崩れるかもしれないと思われたが、さいわい暑いとさえ思われる晴天に恵まれた。今回のコースは海岸からすぐに山麓に続く起伏の多い神戸市街である。明治の風情漂う坂道から、船着き場のある港町まで、変化に富む景色が売りで、「神戸の異国情緒を満喫したい」という想いの参加者が多くみうけられた。

 

神戸は平安時代、平家一門による日宋貿易の玄関口であった。あの平家物語の清盛が安徳天皇を奉じて都造りをしたことから端を発している。この古都は途中で頓挫し、半年で平安京に還都したので、藤原京、平城京のような遺跡は無い。神戸っ子は「維新・近代化は神戸から始まり、外国に開かれた日本の玄関口である。」と言い返すであろうが・・・

 

 10時、JR神戸駅に集合し、恒例の出発式のあと坂道を上り、移住ミュージアムへ向かう。高度経済成長により海外移住者はいなくなり、1971年に神戸を出航した移民船「ぶらじる丸」を最後に神戸移住センターは閉館された。大阪万博の次の年ぐらいである。その後、看護学校校舎などの変遷をへて、移住に成功された日系人の要望で移住ミュージアムとして保存されることになった。戦後の貧しい人口過剰な時期の日本からブラジルに移住するとき、この施設移住一家が寝泊りし、検疫や移住書類事務を行った処である。まだ、50年ほど前、日本は人口過剰で、海外に出てゆかねば生きてゆけない状況であったことを胸に秘めて、異人館街に移動する。(写真は移住ミュージアム玄関)

 

 街角を曲がると突如、坂道の上の屋根の間から風見鶏が垣間見える。急ぐ!

 

途中の店先には西洋人が「今日はどこのお上りさんが来たのかな?」という表情で参加者の列を見つめていた。参加者たちはこのような状況を目の当たりにし、「神戸の街に来た!」と実感していた。

 

北野の異人館「風見鶏の館」はドイツ人貿易商ゴッドフリート・トーマスの自邸である。レンガの外壁と尖塔の風見鶏は、いかにも洋館建てというイメージを代表する重厚な雰囲気を漂わせている。

 

近くに萌黄の館があり、庭園にアメリカ政府の庭師という風体の等身大銅像がベンチに座って居た。参加者の多くはこの銅像を触り、肩を組み、記念写真を撮っていた。萌黄の館はその名のとおり鶯色に塗装されたアメリカ総領事(明治36年)の邸宅で、国の重要文化財である。

 

異人館のある北野界隈は洋風土産物屋が多くみられ、参加者はアチコチの店屋を覗き見し、あたかも修学旅行生のようであった。異人館街を後に一同、生田川公園へ向かう。(写真は萌黄の館)

 

 生田川公園では春を過ぎたかのような暑い日差しの中での昼食になり、恒例のウンチク講和で心身共にリフレッシュ?し、神戸税関へ出発する。(写真は生田公園での薀蓄講話中の様子)

  神戸税関付近では警察官やパトカーが目に付き、参加者も「税関付近やから警察官も多い」とか、「暴力団抗争警戒しとるんや・・・」とか、囁きあっていた。震災に耐えた税関建物は修復されてはいるが、明治の風情を残して交差点の角地に居座っている。館内で参加者たちは、密輸の手口、品、などの説明を係員から聞いていた。パクリ・ブランドの密輸は中国製がダントツに多い。覚醒剤密輸は小さなブイの下に吊り下げ、船で受け渡しするらしい。「密輸の手口を教えたらだれでもヤルようになんのんとちゃうの?」と話しながら参加者たちは震災メモリアルパークへと向かう。

(写真は神戸税関展示室)

  震災メモリアルパークは浜手バイパスを越えた直後、広場の端の海岸にある。震災で崩壊した護岸コンクリートの塊が波打ち際に洗われ、海藻が所々絡みつき、漂っていた。崩壊コンクリートの塊は震災当時のまま保存され、震災メモリアルパークという解説が無ければ素通りしそうな風景である。再建された護岸壁は崩壊護岸壁の内側に復旧され、安全策と思われるコンクリートの壁で区分されている。この付近に立つと潮風に吹かれ、寒いというより心地よい春の日差しに包まれた。確か、このあたりに「メリケン波止場が・・・」と、裕次郎のように眉にシワを寄せ、昔の記憶をたどったが、震災で風景が一変し、記憶にあるあのメリケン波止場は見当たらなかった。

 

 この海岸を最後にJR神戸駅に戻る。

 

すぐ近くから地下道に降り、地上では見られない大勢の人ごみの中を駅に急ぐ。まだ新しいと思える地下商店街を行くと突然、スタッフ が笑顔でIVVカードを配っており、「ええッ、もう駅ッ!」と思うぐらい早くJR神戸駅に着いた。

 

 今日のコースは「山の手の異国情緒」と「港町」、「震災の爪痕から復興した街」と、盛りだくさんの内容であった。参加者は89名であり、いろいろな神戸の姿をいっぱい詰め込んで帰路に就いていただきました。お疲れ様でした。

 

 本日のウオーキング距離は11kmでした。(写真は震災メモリアルパーク)